今年の年末調整はここが変わります!(事務所だより令和8年11月号)

 

朝晩の冷え込みが増し、熊本でも秋の深まりを感じる季節となりました。紅葉や秋の味覚が楽しみな時期ですが、今年も残すところあと2か月となりました。

11月は、年末調整や確定申告に向けた準備を始める大切な時期です。

特に今年は所得税の制度改正があり、例年とは異なる点もありますので、主な変更内容をご紹介します。

 


 

■ 令和8年の年末調整、何が変わる?

今年の年末調整では、所得税の基礎控除や給与所得控除などが見直されました。

 

① 基礎控除が引き上げられます

基礎控除とは、所得税を計算する際に所得から差し引くことができる金額です。

令和8年分は、合計所得金額489万円以下の方について、基礎控除額が104万円となります。

所得がそれを超える方についても、所得金額に応じた控除額が定められています。

 

② 給与所得控除も見直されます

給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられました。

基礎控除と合わせると、給与収入のみでほかに所得がない方については、給与収入178万円まで所得税がかからない計算になります。

ただし、社会保険の扶養や住民税の非課税基準とは異なりますので、注意が必要です。

 

③ 扶養に入れる家族の収入基準も変わります

扶養親族や同一生計配偶者などの所得要件が見直されました。

給与収入だけの場合、扶養親族に該当するかどうかを判定する際の収入の目安は136万円以下となります。

また、大学生年代の19歳以上23歳未満のお子さんについては、収入に応じて「特定親族特別控除」を受けられる場合もあります。

アルバイトをしているお子さんがいるご家庭では、年間収入の確認をおすすめします。

 

④ 子育て世帯の生命保険料控除に特例が設けられました

23歳未満の扶養親族がいる方については、一定の要件のもと、新しい生命保険契約に係る一般生命保険料控除の上限額が4万円から6万円に引き上げられました。

ただし、生命保険料控除全体の上限額12万円は変わりません。

対象となる方は、生命保険料控除証明書を忘れずに保管しておきましょう。

 


 

■ 年末調整に必要な書類を確認しましょう

生命保険料や地震保険料の控除証明書などが、ご自宅に届き始める時期です。

また、配偶者やお子さんのアルバイト収入、扶養親族の状況などについても、今年の見込み額を確認しておきましょう。

従業員を雇用されている事業主の皆様は、早めに書類を配布し、余裕を持って準備を進めることが大切です。

 


 

■ 個人事業者の方は、年末までに利益の確認を

個人事業者の方は、今年の売上や経費を一度確認してみましょう。

利益が増えている場合には、所得税や消費税の納税額も増える可能性があります。

仕事に必要な機械や備品の購入、設備の修繕などを予定している場合には、年内に実施するかどうかで所得計算が変わることもあります。

ただし、節税のためだけに不要なものを購入してしまっては、かえって資金繰りを悪くすることもあります。

無理のない計画を立て、必要な対策を早めに検討しましょう。

 


 

■ 農業をされている方も申告準備を

熊本では、お米や野菜、果物などの収穫・出荷で忙しい時期が続いています。

JAの取引明細、肥料・農薬代、農機具の購入資料などは、早めに整理しておきましょう。

また、年末には農産物や資材などの棚卸しも必要となります。

年が明けてから慌てないよう、少しずつ準備を進めておくことをおすすめします。

 


 

■ 今月のひとこと

今年の年末調整は、税制改正により、昨年とは計算方法や確認事項が異なる部分があります。

「扶養の範囲がよくわからない」「子どものアルバイト収入はいくらまで大丈夫?」「今年の税金はどのくらいになりそう?」など、気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

今年も残り2か月。体調に気をつけながら、余裕を持って年末を迎えましょう。